「卵管閉塞」で覚えておいていただきたいのは”一度の検査結果が全てではない”ということです。

閉塞と診断された後の再検査で卵管が通っていたり、異常なしと言われた後の再検査で閉塞しかけていると言われることは珍しくありません。

このような事が起きるのはクリニックや検査の制度・技術が悪いという訳ではなく人間の身体が常に変化しているためです。

検査時に痛みを感じてしまっただけでも卵管が痙攣して閉じかけたりすることもありますし、卵管造影検査（卵管閉塞か判明する検査のひとつ）で造影剤を入れる際に上手く造影剤が入らず映像に現れない場合もあります。逆に、卵管に造影剤が入る影響で卵管のつまりが取れたり卵管の動きが促進されるということもあります。

他の不妊検査（血液検査や精液検査、ヒューナーテストなど）も似た傾向があり、一度の検査結果を全てと受け止めず複数回の検査で結果を判断してもらう方が良いです。

卵管閉塞の診断が出ている方でも3～4割の方は再検査で卵管が通る可能性があるそうです。ですので1回の検査結果を絶対視せず、不安や要望があれば医師と相談して再検査するのもアリです（検査だけ別のクリニックというのも可能です）。

ですが、複数回卵管造影検査（卵管通水検査）などを経ても卵管閉塞が改善しない場合や、卵管が周辺組織と癒着してしまい動きが悪くなっている時はその後に検査を重ねることなく、体外受精（もしくは顕微授精）で治療を進めていくことが多いです。

不妊検査の結果によって「どちらかのせいで妊娠できないんだ」と思うのではなく「原因が分かったからそれに対処すれば妊娠できるんだ」と捉えて頂ければと思います。仮に、原因不明不妊と言われたとしても、「主要な生殖器官に異常がないと分かっただけでもＯＫ」です。

2021.01