まず声を大にして言いたいのが「流産は誰のせいでもない」ということです。

全ての妊娠の内、10～15％の確率で流産は起こります（12週未満の初期流産は13.3％・12～22週の後期流産は1.6％）。また、妊娠した女性の40％が流産を経験しているというデータもあります。そこに○○をしてしまったからだ、とか××をしなければよかったという原因は基本的に存在しません。1人1人の女性の方が悪い流産はありません。ご自身を責めてしまう方が本当に多いですが、絶対にあなたは悪くありません。そのことは忘れないでください。

※流産は「妊娠22週未満で妊娠が中断してしまう状態」の事を指します。原因は染色体異常や多胎妊娠・頸管無気力症、絨毛膜羊膜炎、子宮奇形などが多いですが、原因不明のまま流産してしまうケースも存在します。

2021年現在。流産を予防する方法はありません。ただし高齢出産である場合や心身に負担がかかりすぎている場合は流産率が上昇するというデータが出ているため、出来れば妊娠初期は安静にしているのがベターといわれています。

流産と似て非なるものに「切迫流産」があります。こちらは「流産の危険性がある状態」であり妊娠は継続しているため流産ではありません。ですが安全な状態ではないため、基本的には絶対安静を指示されます。妊娠初期に出血や腹痛があった場合はすぐにクリニックを受診されてください。

●切迫流産→流産の危険性があるが正常な妊娠に復帰できる可能性もある。少量の出血・下腹部痛・お腹の張りや腰痛を伴うことが多い。

●稽留流産→子宮内で胎児が死亡し留まっている状態。出血があるが自覚症状がないことの方が多い。

●進行流産→胎児は確認できるが心拍がなく、流産が進行している状態。大量の出血や激しい痛みがある。

●不全流産→子宮内に胎児や付属物が残留している状態。出血や腹部痛があることが多い。

●完全流産→胎児や付属物全てが子宮外に排出されている状態。胆のうなども全て排出されている。

2021.04

流産の正しい知識。